更新日:2025年4月22日
法面(のりめん)とは、道路や鉄道、宅地造成などで人工的に作られた斜面を指します。私たちの身の回りにも、気づかないうちに多くの法面が存在します。法面は大きく分けて、以下の2種類です。
・土を盛って作った「盛土法面」
・山や丘を切り取って作った「切土法面」
これらの法面で発生する「法面崩壊」は、土や岩が急激に崩れ落ちる現象です。崩壊は動きが速く、土や岩が大きく乱れるという特徴があり、地下深くからゆっくりと動く地滑りとは区別されることが一般的です。
法面崩壊は災害の原因となるだけでなく、周辺環境や景観にも大きな影響を及ぼします。近年は気候変動の影響による豪雨の増加などにより、発生リスクが高まっており、事前の対策の重要性が増しています。
この記事では、法面崩壊の主な原因と対策方法について解説します。また、身近な法面に適した工法についても紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
法面崩壊が発生する原因は、主に以下の要因が考えられます。
水は、法面崩壊の最大の要因のひとつです。
・雨水の浸透
・地下水の湧き出し
・地下水位の上昇
これらによって地盤内の水圧が高まり、土の粒子間の結合力が弱まります。特に集中豪雨の際には、短時間に大量の水が地盤に浸透し、法面の安定性を急激に低下させるおそれがあります。
法面を構成する土や岩の性質も崩壊の原因になります。たとえば、風化しやすい泥岩や凝灰岩などは、雨水や気温変化によって劣化しやすい傾向にあります。
また、水による侵食を受けやすい砂質土や、強い酸性の土壌では植物による保護が難しく、崩壊のリスクが高まります。
法面の傾斜角度は安定性に大きく影響します。一般的に、急な斜面ほど崩壊の危険性が高まります。
45度を超えるような急斜面では、自重による崩落のリスクが高く、植物による保護だけでは不十分な場合が多いです。地質や土質によって安定する角度は異なるため、適切な勾配設計が重要です。
気象条件の変化も崩壊の要因となります。寒冷地では凍結と融解の繰り返しにより土壌が緩み、岩石がひび割れやすいです。
また、乾燥と湿潤の繰り返しにより岩が風化し、徐々に強度が低下することもあります。近年では気候変動の影響により、豪雨の頻度や強度が増しており、法面崩壊のリスクをさらに高めています。
日常的な点検・管理の不足も崩壊の原因となります。排水溝の詰まりや亀裂の放置、植生の枯死など進行すると、徐々に本来の安定性が失われます。
崩壊を防ぐためには、定期的な点検と適切なメンテナンスは崩壊防止に欠かせません。
法面崩壊を防ぐための「抑制工」には、大きく分けて3種類あります。
・排水工
・植生工
・構造物工
法面の状態や環境に合わせて選び、必要に応じて組み合わせることが効果的です。
排水工は、法面崩壊の主な原因である水の影響を減らすための対策です。水の浸透や侵食を防ぎ、法面の安定性を高めます。排水工は大きく次の2つに分けられます。
・地表水排除工
・地下水排除工
雨水などの表面水を効率よく排除し、浸透や侵食を防ぐ工法です。排水路や集水桝などを法面の上部や周囲に設置し、雨水の表面侵食や地盤の軟化を抑制します。
内部の水圧を下げ、崩壊のリスクを減らす工法です。内部の地下水の排出によって、間隙水圧の上昇を抑え、安定性を向上させます。
地下水位が高い地域や湧水がある場所で採用されます。
表面を植物で覆い、雨水の浸透を抑制しながら表面の侵食を防ぐ工法です。自然環境との調和や景観の維持にも効果があり、次のような種類があります。
・播種工
・植栽工
種子と肥料、接着剤などを混ぜて法面に吹き付ける種子吹付工が代表的です。
比較的安価で広範囲に施工できるため、大規模な法面で用いられます。傾斜が緩やかで表土が安定している場合に適しています。
中長期的に法面を保護する工法で、以下のような種類があります。
・育てた芝を全体に敷き詰める「張芝工」
・芝を帯状や格子状に配置する「筋芝工」
張芝工は即効性があり、表面侵食の防止効果が高いです。筋芝工は経済性に優れ、芝の間から草本が自然に生育して崩壊を抑制します。
法面表面を構造物で覆い、風化や侵食から物理的に保護する工法です。傾斜が激しかったり土質的に植生が難しかったりする場合に用いられます。主に以下に分類されます。
・張り工
・法枠工
張り工の種類もさまざまで、主に以下があります。
・石張り工
・ブロック張り工
・コンクリート張り工
石張り工・ブロック張り工は緩やかな斜面で粘り気のない土や軟らかい岩に適しており、自然との調和も図れます。一方、コンクリート張り工は割れ目の多い岩盤や緩い斜面堆積物に適しており、高い保護性能を発揮します。
法枠工は主に以下があげられます。
・プレキャスト枠工
・現場打コンクリート枠工
プレキャスト枠工は、工場で生産された枠を現場で設置します。侵食されやすい切土法面に適した工法です。
現場打コンクリート枠工は、水が湧き出る風化した岩や高い法面に適しています。地形に合わせた柔軟性のある施工が可能です。
対策を選ぶ際は、法面の状態や環境、予算などを総合的に考慮する必要があります。
一般的には、法面崩壊の主な原因である「水」への対応として、まず排水工の導入を検討することが重要です。適切な排水設備を設置することで、多くの崩壊リスクを低減できます。
次に、環境との調和や景観の点から「植生工」を検討します。植生工は自然環境に優しく、長期的な法面保護に効果的です。ただし、土質や傾斜角度によっては植生工だけでは不十分な場合もあります。
法面の安定性に不安がある場合は「構造物工」の導入や他の工法との併用を検討する必要があります。特に急斜面や風化が進んだ岩盤、地下水の湧出が多い場所などでは、より強固な保護対策が求められます。
また、施工後も定期的な点検と管理が不可欠です。排水溝の清掃や植生の管理、構造物の損傷チェックなどを行うことで、対策の効果を長期間維持できます。
近年では、比較的小規模な法面に対する対策として、「エコクリーンソイル」を用いた法面被覆工が注目されています。エコクリーンソイルは環境に配慮した土壌素材で、以下のような目的で導入されています。
・雑草対策
・景観の維持
・ポイ捨て対策
適度な硬さを持ちながらも植物の生育を妨げないため、自然環境との調和を図りたい場所に最適です。
また、メンテナンスの手間が少なく、長期間にわたって法面の美観を保てるのも魅力です。
大規模な対策には専門的な工法が必要ですが、庭先や小規模な斜面など身近な法面の保護と美観維持には、エコクリーンソイルのような素材の活用も検討してみてはいかがでしょうか。
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<strong>・NETIS登録番号TH-000030-V:活用効果評価有り</strong>
<strong>・東京都建設局新技術登録NO.1001003</strong>
<strong>・旧日本道路公団(NEXCO)新技術登録NO.200100051</strong>
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エコクリーンソイルは、<strong>建設物価 特殊舗装工 エコクリーンソイル工法</strong>に掲載しております。
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<h4>◆エコクリーンソイルの施工について、条件付きにてご相談承ります。</h4>
弊社は、エコクリーンソイルのメーカーとして製造販売のみ行っておりましたが、
この度、エコクリーンソイルの施工について、関東近郊でのご対応を開始いたしました。
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その他、<strong>エコクリーンソイル設計価格、設計施工歩掛り、平米単価、特注色(応相談)</strong>などお見積作成や必要資料がございましたらお問合せ下さい。
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